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桶狭間辯才天 蓮龍院

Author:桶狭間辯才天 蓮龍院
真言宗僧侶(阿闍梨)
自房(お寺)の活動、行者の気侭な日記、密教の修法についてなどブログに載せていきます。

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天部尊の護摩

先日、少し天部尊の護摩のことについて述べましたところ、少しご質問をいただきましたのでもう少しお話したいと思います。

基本、解脱していない天部尊に護摩供は存在いたしません。

また、護摩供のみの修法も存在いたしません、必ず供養法があっての護摩供です。

各々の供養法に付き護摩供となります。

天部尊の供養法には結界がありません。

これは上で述べましたように解脱していないため、結界に天部尊は入って来れないからです。

護摩供には幾つかの決まりがあり「結界」のない護摩供の次第はありません。

従って護摩の供養を受けることができない天部尊にとって、護摩供はありえないということです。

そういった中、辯才天さま、大黒天さま、毘沙門天さまは別格尊とされ、そのお護摩が修されることがあります。

天部尊という立場にいながらにしていつでも解脱できるが敢えて天部尊でいる、そんな存在であるが故に護摩供が存在すると習っております。

小野流の護摩供の初段は「火天段」そして五段目は「世天段」。

「火天段」で供養するのは文字通り「火天」、十二天のお一人です。

「世天段」で供養するのは四臂不動、十二天、七曜、二十八宿です。

天部尊に護摩供なしと言いながら当たり前のよう出てくるこの二段の火天や十二天は権類であり、先に述べた三天のように別格尊として考えられます。

七曜、二十八宿につきましては四臂不動の施しにより供養されるということでしょう。

その他には摩利支天さん、吉祥天さん、訶利帝母さんにも護摩供がみられます。

天部尊には部主が存在しないため、四段でその次第を整えることが多いですが、部主等の明細が聖教等に記載がある場合などは五段で整えます。

この場合は天部尊としてではなく、菩薩としての観念で修法することが必要かと感じます。

護摩祈祷の際は便法により、供養法を済ませておき、檀信徒さまの前では護摩供のみを修法することがありますが、あくまでも如法ではありません。

略護摩供の次第などもありますが、これは普段、如法に護摩供を修法しているからこそであり、略護摩のみを修法することはありません。

柴燈護摩供、柴燈壇護摩供などは、時間の短さからよくご祈祷に用いられますが、やはりこれも普段から如法に護摩供をしているからこそのものと習っております。

当院ではご縁あり、

「辯天護摩」   四段 増益(五段 増益)

「大黒天護摩」  四段 増益

「毘沙門護摩」  四段 増益

「摩利支天護摩」 五段 増益・息災

「吉祥天護摩」  五段 増益

「訶利帝母護摩」 五段 増益・息災

以上の天部尊のお護摩を特別な御縁日に焚かせていただいており、普段は供養法を修しております。

ご縁の際にはお詣りいただけましたら幸いです。合掌